令和6年能登半島地震で・・・!
たくさんの応援、支援によって少しずつ前を向くことができており、再建に向けてようやく動き出せるようになりました。
国登録有形文化財の工房兼家屋が崩壊。
石川県輪島市にて江戸時代から続く塗師屋 大崎漆器店の大崎四郎・悦子と申します。現代では大変貴重な日本産の漆を使い、堅牢で美しい輪島塗の漆器を作っております。工房を兼ねた家屋は国登録有形文化財の指定を受けた歴史ある建築となっています。
毎年同じように過ごしていた家族団欒の時間に今回の地震が発生しました。あまりに大きな揺れに困惑し、頭を布団で被い、揺れがおさまってから布団から顔を出すと壁面の崩壊した部分から青空が見えていることにびっくりしました。
町中で津波の避難警報の放送が響いている中、急いで2階から脱出しようとすると階段が崩れており、逃げ道がない状態でしたが、家族で声をかけながら何とか屋外に脱出し、高台に避難することができました。
地震が少し落ち着いてから、家屋を見に行きましたが、母屋の真ん中の住居部分は崩壊しており、奥の作業場は広い部分が崩壊してるのでその奥まで足を踏み入れて確かめることすらできませんでした。
職人や漆器屋の現状について
大崎漆器では、下地作りから研ぎ、上塗りまで複数の職人が働いています。幸いなことにみんな、難を逃れ無事ではありますが、今までの仕事場は全壊し、現在も立ち入ることもできない状態です。また、2007年の震災の被害の修復を経て多くの人の手を借り復活した、大切な上塗りを行う土蔵は被害が甚大で、手が付けられない状態です。
そんな中ですが、震災以降、全国各地たくさんの方々から励ましのメッセージをいただいており毎日感謝しております。
被災3日目の夕刻、左官さんが丹波篠山から2日間かけてお見舞いに駆けつけてくださり、痒いところに手が届くような、細やかな気配りの支援物資を届けてくださいました。ガタガタに崩れた道路を金沢から12時間以上もかけて見舞って下さり、本当にありがとうございました。
高須美容整形外科クリニックの高須さんもヘリコプターで支援物資を届けてくださり、お預かりした支援物資は手分けして車に載せ、個人用の支援物資預かり所に届けさせていただきました。
たくさんの応援、支援によって少しずつ前を向くことができており、再建に向けてようやく動き出せるようになりました。